その夜。
高木先生:「吉崎、DVD見よう!」
お風呂から上がり、リビングの扉を開けると、高木先生はソファーで寛ぎながらそんなことを口にする。
「…へ?」
ポカンとした私は思わずマヌケな声が出た。
高木先生:「…。何だよ、その返事は。見るのか?見るんだな!よし!」
うんともすんとも言わない内に勝手に決める高木先生は、テレビの下のDVDプレーヤーの電源を入れた。
何だか良く分からず、仕方なしにソファーに座る。
何だか先生、変。
仕事はいいの?
一人で見るのが寂しいのかな。
そんなに見たいものなのかな?
いくつもの疑問が浮かび上がりながら先生の行動をじっと見る。
「…高木先生、急にどうしたんですか?」
ディスクを入れて、ソファーに戻ってくる。
高木先生:「…。ほら、始まった!」
そう言って隣にドカッと座り、テレビを見る。
あの…私の質問は…?
そんな質問は受け付けないと言うように私と目を合わさない先生。
もう、いいや。そんなに高木先生が誰かに見せたい、いちおしのDVDなんだ。
勝手に解釈をして私もそのDVDを見る。