高木先生:「―…林田。」


林田君:「はい。」


隣の林田君が返事をした時ハッとする。


南のことが気になって、いつのまにか林田君の列まで!!


また緊張の鼓動を打ちはじめる心臓。


テストを受け取る林田君。

いつも無表情の林田君の眉が、ピクッと動いたような。


林田君:「…。」


高木先生:「…お前も、最後まで見ろよ。」


林田君:「…ああ。」


少し微笑む林田君。あ、笑った。
そしてドカッと隣に座る。


だけど怖くて見れないし聞けない。

まだ自分のテストが返ってこないから…。


いよいよ、前の席の花が呼ばれる。


高木先生:「―…山岡。」



花:「…っはい!!」


花もよっぽど緊張してたのか走って取りに行く。



貰った瞬間の花の表情で一発で分かった。




90点、あったんだ…。



嬉しそうに涙を浮かべて帰ってくる花の変わりに、私の名前が呼ばれる。



高木先生:「…吉崎。」



「はい…。」



やれるだけのことはやった!沢山勉強したし、それに、教える時だって何度も確認出来た。




テストも、何度だって見直ししたし…。