「ここ、テスト出すからな!覚えておいたほーが良いぞ!」



授業の最後に、黒板に書いた数式をトントンと叩く。



「後残りの時間は、これノートに写して、演習な!質問あったら聞くぞ。」


そう言った瞬間長嶋の右手がスッと上がり、必死な顔が俺を見る。

長嶋:「はいはいはーい!!先生!ちょっと質問!こっち来て!!」



「おお!もう写したのか?」


長嶋:「うん!写したッ!!」


は、早っ!

そう思いながら、長嶋のノートを見る。


長嶋:「それで、先生!ここの問題なんすけど!!何で答えが違うのぉ゙ーッ!!」


長嶋は両手で頭を抱え、悲痛な叫びを上げて、俺に助けを求めた。


それが面白くて思わず笑ってしまう俺につられて、クラス中も笑い声が溢れる。



「ははは!計算ミスだ!もったいないな!ほらここ!9引く2が6になってる。そこから大きくズレたんだろうな。」



長嶋:「ぬぁあ!本当だ!最悪〜!!」


そんな長嶋の肩をポンポンと叩いて

「まぁ、落ち着いてやれ!」



そう言って教卓の方へ足を運ばせると次々に質問が飛び交う。



…が、吉崎は黙々と解いているようだ。