南 Side





近くなる家。




何だかいつものような会話で、歩く帰り道。




前に、決意を託した夕日が見える。



あの時は、逃げてしまったけど、今日は逃げないよ。



頑張るから。




「亮。あのさ、」


亮:「ん?」



「話、聞いてくれる?」



亮:「おお!そうだよ、まだ聞いてねえよな。何かあったんだろ?」



「…うん、まぁね…。てかさ、あの公園行こーよ!昔良く遊んでたじゃん!」



家への帰り道と違う方向を指差して、亮に言った。



だって、家に着いたらまた逃げちゃうかもしれない。


それに、何だか、終わりって感じで怖い。



にっと笑って頷く亮と指を指した方向へ歩き出す。



懐かしい公園前に着く。


「うわっ!懐かしー!!」


亮:「変わんねーなっ!ここも。」


少し小さく見えるブランコも滑り台もウンテイも砂場も、何だか懐かし過ぎて、ついはしゃいでしまう。


「小さい頃は、この公園、広くて、大きくて…。」


ストンとベンチに座る。



亮:「確かにな!いつからこんなに狭くて小さくなって、懐かしく思うようになったんだろーな。」