南 Side
最初の一枚を、壊すって言ったって…
少し勇気が必要…。
だけど、もう引き下がれないし。
これ以上、逃げてちゃね、
今日帰り言おう。
最近は
いつもより、かなり早めに学校に着く。
だってさ、家にいると何か、余計なことばっか考えるしさ。
今日こそ1番のりっ!!
ガラッと教室のドアを開ける。
「しっかしなぁ!何でいつもいつも俊平がいるのさっ!!」
ゴスッと、寝てる俊平に肘で頭を叩く。
俊平:「いって!んだよっ?!…ってお前かよ。」
「お前って何よ!ちゃんと名前で呼べっつの!」
ガタンと自分の席に座る。
私の席の右斜め側で少し遠い俊平の席。
「今日こそは1番のりだと思ったのにな〜。」
はぁ!っと悔しそうに机の上に置いた鞄に顎を乗せる私。
俊平:「…ふん。俺早起きだから。」
何か嫌みに聞こえた私は、振り返って俊平を睨んでやった。
そんな私に、めったに笑わない俊平が
俊平:「何だ、元気じゃん。」
そうクスッと笑って言った。
「…。俊平さぁ、好きな奴いないの?」