放課後が来ても、南んは用事があるからって直ぐに帰ってく。




奈緒:「最近、一緒に帰れないね。」


ポツリと漏れた奈緒の言葉に余計寂しくなる。



「…花も、……先に帰るね!バイバイ!」




ごめん。真梨奈、奈緒。

花のせいだよね?
きっと何かしたんだ。





学校の外に出ると、学校の壁にもたれながら携帯をいじっている亮君に会った。


目が合うと、亮君は私の前に立って


亮君:「…。南もそうだけど、花ちゃんも元気ないじゃん?」




「え…。」



少し背の高い亮君を見上げると、亮君は私の頬をキュッとつまんで、



亮君:「…笑って。」


にっと歯を見せて満面の笑みで笑う亮君。


そんな亮君につられて笑ってしまう。


そっと離れた亮君の手。




その時だけ、その一瞬だけ、縋り付きたくなっちゃったんだ。