頬をつまんでた俺の手を吉崎の小さな冷たい手がギュッと掴み、頬から離す。


吉崎:「いてて!やめて下さいってば!」


顔を真っ赤にして怒る吉崎。


それを笑うと、またツンッとして日誌を書く吉崎。


俺は、三浦先生に妬いたのかもしれない。


ふぅっと机に肘を起き、自分の頬を手の甲に置く。


「俺に聞けばいいのに…。」


と呟くと、吉崎はまた慌て出す。


吉崎:「せ!先生、近いです‥。か、化学は家で聞きますから…。」



半分、言わせたようなもんだが。その言葉に嬉しくなり、吉崎の頭をくしゃっとする。





今野:「…あの〜。お取り込み中失礼しまーす。」


ガラッといきなり教室のドアを開けて入ってきた今野。



「なッ!!おま、今野!」

吉崎:「真、真梨奈ッ!」


驚く俺に近付きニヤつく今野。


今野:「忘れ物〜!高木先生、邪魔しちゃった?」


「…お前なぁ‥。」


今野:「待って!説教はなし!ちゃんとタイミングを見計らって入ったのよ!」


へへんと笑う今野にガックリと来る。


つまり、ずっと見てたってことか。


コイツは本当に恐ろしい奴だ。