コンコン、「吉崎です。」と化学準備室のドアを叩くと中から「どうぞ。」と三浦先生の声がする。
恐る恐るドアを開けると、少し狭めの部屋に横には棚、棚、棚。
狭く感じるのは棚のせい?
だけど三浦先生の姿がない。あれ?確かに声が聞こえたんだけど…。何か余計怖い、
電気は付いてるし、でも横の棚と棚の間は、電気の光りが届かないせいか薄暗い。
「あ、あの、三浦先生?」
また恐る恐る呼んでみる。
三浦先生:「…すまない。」
「ひぃ!!」
ガタンとその薄暗い棚の間から箱を抱えて急に出て来た三浦先生にビックリして変な声をあげてしまった。
三浦先生:「…。ここに座って。」
そんな私にお構いなしに三浦先生は壁際の机の椅子を指す。
「あ、はい。すいません。」
きっと高木先生はバカにするんだろうな。
持ってきた化学のノートを開けて分からない所を言う。