南:「亮達も呼びたいな。」
ボソッとご飯を食べる中で言う南。
真梨奈:「それいいね!」
高木先生:「おい、人を増やすな。ばれる。」
花:「あと3人だけ!あ、でも生徒会長いるから厳しいかも。」
南:「大丈夫!賢志って堅そうに見えて意外とゆるいから!」
高木先生:「ったく。もう勝手にしろ。俺は飯食べたらすぐ戻るから!」
真梨奈:「え!いいの?」
高木先生:「ばれなきゃな!あと、同居のことも!」
そう言って私を見る高木先生と目が合ってドキッとする。
真梨奈:「絶対秘密にする!」
花:「当たり前!」
南:「口が上手い真梨奈がいるからね!」
真梨奈:「何?どういう意味よ?」
「あはは(笑)」
高木先生:「じゃあカギ、吉崎に渡しとくから昼休み終わったら、カギ閉めて俺んとこ返してな。」
「え!先生もう行くんですか?」
高木先生:「ああ!次の授業の準備に。」
大変だな先生って。
南:「何かいいな。奈緒と高木先生。」
突然ボソッと言う南に驚く。
「はい?何が!?」
真梨奈:「何か更に仲良くなっちゃってさ。」
花:「LOVE、だね。」
「だからLOVEじゃないってば!」
南:「…LOVEに変わらないかな。」
またボソッと言う南に真梨奈が聞く。
真梨奈:「亮のこと?」
花:「今LOVEじゃないの?」
南:「片方だけの好きじゃ、LOVEは成立しないよ。」
「…片方だけ、か。」
南:「ずっと片想い。亮は振り向いてくれないし。でも、友達でいるのもいいかもね。」
真梨奈:「南…。」
本当に好きなんだな亮君のこと。亮君も南のこと好きだったらいいのにな。
でも、小学校の頃からずっと一緒ならもしかしたら亮君も南のこと好きになるかも。
南:「私がこんなことで病むとか私らしくないよね!(笑)」
花:「南ん、無理しないでね!」
真梨奈:「伝えることも、知ることも大切だよ。今じゃなくても、いつでもいいからさ。」
南:「そう、だよね。…関係が壊れることばっかにビビってさ、前に進めないままってのもダメだよね。」
南の恋が、うまくいくといいな。本当に恋って難しい。
4人はいつも一緒
この関係はいつまでも
続くって信じてた
どんなことが合っても
絶対崩れないって
確信してたんだ。
4月ももうすぐ終わる。最近、色んな変化が見える。
「おはよ。」
教室に入って来て隣の席にドカッと座る林田君に、挨拶をする。
林田君:「…ウス。」
少し私から目線を外してそう応える林田君。
変わったこと、
初めて挨拶したときの林田君は、ビックリして首を縦に振るだけだったけど、最近は返事もしてくれるようになった。
南:「おは!奈緒、俊平!」
花:「おはよー!奈緒今日早いね!」
「おはよー!うん何か早く着いちゃった。」
教室に花と南がやって来た。
南:「無視すんなよ俊平〜!」
にっと笑った南が林田君の頭をゴンッと叩く。
林田君:「うるせー。」
だるそうに応える林田君に南が怒ってまた始まる2人のケンカ…。って言うより、言い合いかな?
南と真梨奈みたいな(笑)
最近変わったこと、南、花、真梨奈や亮君達が林田君と仲良くなったこと。
林田君は見た目は怖いけど実は優しい人なんだって伝わったみたい。
そして教室内がだんだん賑やかになっていく。
チャイムが鳴ってガラッっと教室に入って来る高木先生にドキッとする。
最近…、私は高木先生を見ると変に緊張してしまう。
最近、って言うよりずっと前から。
出来るだけ考えないようにしてた。その意味の答えを知るのが怖いから。
HRが終わって、高木先生がこっちに来る。それだけでドキドキしてしまう。
高木先生:「吉崎、今日日直な!」
「は、はい!!」
私は慌てて応えて、先生から日誌を受け取ると先生は教室を出て行った。
そ、それだけか…。
最近変わったこと
私、自分に余裕がない…。
一緒に住んでいながらも、こんな調子じゃやってけない。
昼休み。
南:「次、数学か〜。はぁ…。」
真梨奈:「5限に数学はきついなー。しかも6限は化学!」
屋上のドアを閉めて教室へ戻る。
ガックリと肩を落として歩く南と真梨奈。
「頑張ろ!眠いけど。」
花:「花は全然平気よ!だってあのキラキラ2人の授業だからねー!」
真梨奈:「…花が羨ましいよ。」
南:「私は寝る!だから奈緒またノート見せてね!」
花:「分からない所は奈緒に任せた!」
「…はいはい。任せて!」
グッと拳を作って笑って見せると南と真梨奈は元気になって喜んだ。
6限化学。前の席で爆睡中の花。「平気よ!」って言っておいて、ちゃっかり寝てる花。
連続でこの理系科目は確かに眠たい。だから教室内は、しーんとした重たい雰囲気。
隣の林田君も爆睡。林田君はいつも爆睡してるけど、さっきの時間、数学はいつも起きてる。
数学、好きなのかな?
真梨奈も机に伏せて寝てるし
南は何かウトウトしてるのか体が揺れてる。(笑)
ん!?何これ!
思わず、黒板と自分のノートを見比べて考える。
何でこーなるんだろ。予習と復習に授業を聞いておけば、だいたい分かるのに!
さっきの説明もっとちゃんと聞いておけばよかった。
高1の化学とはまた変わって覚える事も増えて本当難しい…。
どうしよう。三浦先生はどんどん授業を進めていく。
帰って高木先生に聞こうかな。
いや、教えてもらうなんて何か…緊張する。何でだろ?
やっぱ三浦先生に授業終わってから聞こう。
三浦先生、ちょっと怖い人だけど…。
この式が成り立つ意味が分からないのは、スッキリしなくてモヤモヤする。
ついでに、苦手な所ももう1回聞いておこう。
授業の終わりのチャイムと同時に、三浦先生の所へ行く。
「‥あの、三浦先生、ここの今日勉強した所なんですけど…。」
恐る恐るあまり反応のない三浦先生に聞いてみると、三浦先生は一言私に
三浦先生:「放課後、化学準備室に来なさい。」
そう言い放ってスタスタと教室を出て行った。
や、やっぱり怖い人…。
席に戻り、高木先生がHRを始める。
化学準備室…行くのやだな。
自分から言っておいて、こんなこと思うのも勝手だけど。
やっぱ高木先生に聞いた方が良かったのかも。
チラッと高木先生をみると、目が合ってしまい、ドキッと胸が跳ねる。
慌てて目を逸らして、化学のノートを開けた。
と、とりあえず、分からないの所に印付けよっと!
自分で自分をごまかすように、ペンで印を付けていく。
コンコン、「吉崎です。」と化学準備室のドアを叩くと中から「どうぞ。」と三浦先生の声がする。
恐る恐るドアを開けると、少し狭めの部屋に横には棚、棚、棚。
狭く感じるのは棚のせい?
だけど三浦先生の姿がない。あれ?確かに声が聞こえたんだけど…。何か余計怖い、
電気は付いてるし、でも横の棚と棚の間は、電気の光りが届かないせいか薄暗い。
「あ、あの、三浦先生?」
また恐る恐る呼んでみる。
三浦先生:「…すまない。」
「ひぃ!!」
ガタンとその薄暗い棚の間から箱を抱えて急に出て来た三浦先生にビックリして変な声をあげてしまった。
三浦先生:「…。ここに座って。」
そんな私にお構いなしに三浦先生は壁際の机の椅子を指す。
「あ、はい。すいません。」
きっと高木先生はバカにするんだろうな。
持ってきた化学のノートを開けて分からない所を言う。