夕方マンションに着くと、部屋から吉崎が外に出てきてまた、夕日を見ていた。

俺に気付かずに。たしか前にもあったな。思わず足をとめる。

オレンジ色の光りの中で吉崎の微笑む横顔に、目を奪われていた。




最近の俺は、吉崎を抱きしめたいと思ってしまっている。

代理保護者で俺の生徒で大事にしているつもりが、俺自身、個人として吉崎を守りたいと…。



昨日は、吉崎に頬を叩かれたっけな…(笑)
俺は、酒のせいにしたけど、酒飲んでないのに、あんなことする俺は相当ヤバいのかもしれない。



今日は、色々あり疲れたから余計に吉崎を見ると、落ち着いてしまう。



ゆっくりと沈む夕日に曇っていく吉崎の表情に思わずクスっと笑ってしまう。