ガサガサッ!


「おや?噂をすれば……」


「ギャア~~ッ!」


暗くてはっきりは見えないが、シチローとかおりが進もうとしているその先には、明らかに何かがいた。


「もうムリッ!はやく下に降りようよ、オジサン!」


「たからオジサンじゃ無い!……しかし、こっちを通った方が安全なんだけどな……」


「安全な訳無いでしょ!ネズミがいるのよ!ネズミ!」


「いや、そういう意味じゃなくて、下には見張りが……」


「ネズミに比べたら、見張りの方が全然マシよっ!」


よほどネズミが嫌いらしい。その場からテコでも動こうとしないかおりの為に、シチローは逃走経路の変更をするより仕方なかった。


「わかった!左のダクトから下の部屋に降りられるから、そこから廊下に出よう!」


「賛成~!こんなとこ早く出たいわ!」