てぃーだに見張りの相手をさせているうちに、通気ダクトから脱走を試みるシチローとかおりの二人。


「ねぇ、ところでオジサン。わたしを救出して欲しいって、誰から頼まれたの?」


「かおりちゃん……日本語は正しく使わなければいけないな。オイラは“オジサン”ではなくて“お兄さん”だ!
ホントは依頼人に関する事は内緒にしなきゃいけないんだけど、ぶっちゃけ依頼してきたのは君のお母さんだよ♪」


「えっ!お母さんが?」


「そう!突然教団にさらわれた君の事を心配している。オイラ達とこの施設に潜入して、今も君の事を捜している筈だよ」


「へぇ~、そうなんだ♪」


母親が自分の事を心配してくれている事に、ちょっぴり嬉しそうな顔をするかおり。


「そういう訳だから、何としてもここから逃げ出すんだ!」


「うん、わかった♪
……でも、ここ暗いし狭いし、早く下に降りない?
ネズミとか出てきそうでヤなんだけど……」


「ん?ネズミならさっき来る時に出てきたな……」


「マジィ~!絶対やだ!わたしネズミ大っ嫌いなんだからっ!」