「あの……わたしもこの部屋から出たいのは、やまやまなんですが……」


「じゃあ、どうして!」














「さっきからお二人の後ろで、屈強な見張りのオジサンが恐い顔して立っていますので……」


「え・・・・・・・」



天井から落ちた時よりずっと、ドアに背中を向けて立っていたシチローとてぃーだは、ドアの脇に仁王立ちしていた二人の見張りの存在にまったく気付いていなかったのだ。


「なんだよ…見張りがいたのか……黙って突っ立ってないで、いるならいるって言えばいいのに……」


「やかましい~!なんだお前らはっ!さては警察の犬だな!」


見張りの数は二人。どちらもプロレスラーのような体格の屈強な男達だ。


「どうするの、シチロー?」


いつ飛びかかってくるかわからない見張りと目を離さないようにして、てぃーだがシチローに指示を仰いだ。


「あのさ、ティダ……」


「なによ?」


「君、たしか琉球空手やってるんだったよね?」


「ええ、一応……」


「それも、かなりの腕前なんだってね?」


「ま…まぁ、鍛錬は今でも続けているけど……」














「じゃあ~決定!
ティダは見張りの相手!かおりちゃんはオイラと逃げよう♪」


「あっ!ちょっとシチロー!何よそれ~~っ!」