「死ね!!」 振り下ろされるナイフ。 あたしは初めて目の前に感じる死の恐怖に、体が固まり動けなくなった。 あぁ、あたしも朝日が昇る頃には、壁の向こうに放り投げられているのだろう。 そして、誰かも分からないまま焼かれて灰になってしまうのだ。 「っ、う、あ」 遠ざかる意識の中、薄らいでゆく景色の中に、教会で十字架に張り付けられた彼の顔が、一瞬だけ見えたような気がした。