あたしが知っている父は、この街でしがない雑貨屋を営む、口数はあまり多くないけれど優しいひとだったはずだ。 あの日記を書いたのは、本当にあたしの父だったひとなのか。 父が、まるで別人であるかのような感覚さえ覚える。 『あの人』とは、何者なのか。 父が突き止めたと言うそれは、何なのか。 そして何より、お父さん。 貴方は、一体『誰』なのですか。