「シャオファは、今日はお休みなの」

「そうなのか」


曖昧にあたしが言うと、スティーヴは事情が掴めないながらもにっこりと笑う。

屈強な見た目とは裏腹に、彼はとても優しく気が弱いらしかった。


「カオルちゃん、スティーヴに一杯つけてあげて」

「アンヘリーテ!いいのに!」

「いいの。あたし、これから家で七回忌の続きやるから」


にこりと笑って言うあたしに、スティーヴは何の話かと小首を傾げたが、「じゃ、一杯だけ」と言って再び嬉しそうに笑うのだった。