汚くなんかない…


絶対に。


俺は…


全てを受け入れてやる。


「それであの日…俺に“大っ嫌い”って言った訳…?」


美沙先輩が、ウンと頷いた。


わざと…俺を突き放すような事を言ったのか…


「はーっ」


この3ヶ月が…


バカバカしいぜっ。


どんだけ涙で枕を濡らしたと思ってんだよっ…!


「美沙先輩…こっち向いて」


俯く美沙先輩の顔を上げさせた。


俺だって…


ずっと美沙先輩とキスがしたかったんだ…


二人でゆっくり唇を重ね合わせた。


雨が…


少しずつ強くなる。


でも…


全然冷たくなんかなくて…


温かかった。


美沙先輩が唇を離してホッとしたように笑った。


俺が見たかった可愛い笑顔。


ずっと好きだった美沙先輩に…


やっと俺の思いが届いた。


「マジで…好きだから」


「本当に…私でいいの?」


当たり前だろ…


どんだけ先輩を見てきたと思ってるんだよ。


「美沙先輩しかいない」


そう言ったら、


美沙先輩から俺に抱き着いてきてくれた。


「陸に会えなくなってから…ずっと考えてた…。どうすれば……汚い自分を無くせるんだろうって……」


「汚くない。先輩は………綺麗だよ」


俺が………


全てを洗い流してやるから…−


もう………


自分を汚いなんて絶対に言うな。