おばさん
「こんな近くに魔女がいたなんて…。悪魔と関わっているものがいたなんて!!」
目を見開き僕を睨みつける。そして…
おばさん
「忌々しい…」
吐き捨てるようにそう呟いた。
言葉には改めて思い知らされる。
どんな言葉にも言霊は宿るのかも知れない。
その言葉に悪意が有ろうが無かろうが。
今回該当するのは前者だろう。
その…最後におばさんが呟いた敵意の塊のようなな言葉を受け僕の思考は、僕の心は
切れてしまったんだと思う。
『忌々しい』
この言葉は文字通りおばさんにとっての最後の言葉となった。
めちゃくちゃに荒らされまわっている僕の唯一の帰る場所。
いつもなら僕を暖かく迎えてくれる家族がいない変わりに辺り一面に真新しい血痕。
そして
一番の確信はおばさんの言動。
僕は何が起こったのか全て理解した。
理解してしまった。
僕の心の中で急速に狂気が目覚めるのが分かる。
魔女?悪魔?
僕の中ではそんなもの別にどうでもよかったんだ。
ただ僕のことを想い、優しい気持ちにしてくれた母の魔法がこんな形で汚されたんだ。