おばさんは哀れむような顔でこちらを見つめ、ピクリとも表情を変えようとしない。



様子が変なおばさんも少し気になったが今日は僕の誕生日。



目一杯遊びたいという気持ちに負けて僕は手を振り、走っておばさんの前から立ち去った。


それから2~3時間僕は一人でわいわいはしゃぎながら走り回っていた。



我ながら一人でよくここまで遊んだと思う。



こんな天気の良い日は樹の根元に腰掛けながら、瞼が重くなってくるまで綺麗な青空を見つめそして一眠りする。



これは最高に気持ちが良いのだ。



今は時間と眠気に身をゆだねゆっくりと目を閉じた。





どれくらい眠りについていたんだろう。



目が覚めるとあんなに綺麗だった青空も少し寂しげな夕陽になっていた。



そんな空を見てしまったせいだろうか…



急に体に悪寒が走り僕を不安な気持ちにさせる。



自分の知覚していることすべてが偽りとなり…



この世から一人取り残されるようなそんな感覚。



僕は一秒でも早くこの畏怖が支配する世界から開放されたかった。



そうしなければ僕が僕じゃいられなくなるような、このまま僕はバラバラに壊れてしまうんではないだろうか…



僕は急いで家路へと駆け出した。