黒い髪のショートカット。 そこに入れられた、何本もの赤いメッシュ。 闇をそのまま溶かし込んだような真っ黒な瞳。 誰もが美人、と認めてしまうほど整った顔。 透き通る程の白い肌に、細い身体。 左腕に刻まれた紅い揚羽蝶と、 小さな背中いっぱいに描かれた鳳凰と、桜の花びらの刺青。 ――そう、その人間こそ『紅揚羽』。