いくら本城組の情報を求めていると言っても、あまりにも急すぎる。
何もなしで敵陣に乗り込むようなものだ。
「無理ですっ!そもそもわたしは彼女じゃありません!」
……と、口では言うけれど、本音は行ってみたくもなる。
「ん〜でもなぁ〜」
「そもそもサクが女の子遊びしてるから悪いんだろう!」
「ラク、うるさい」
「ねぇ、二人も何か言ってよ!」
「サクラが女と遊ぶなんざ、今に始まったことじゃねぇだろ」
「あたし関係ないもーん」
「そんなぁ…」
相良楽太郎だけがなぜか落ち込んでいる。
わたしを巻き込んだ当の本人である本城朔羅は、彼が落ち込む様をみて笑ってる。
少なからず相良に同情してしまうが、そういやこんな奴がわたしの周りにも一人いるなと思ってしまった。