「俺も知りたい!名前!」
空気を読まず金髪男子に同調してきたのは、薄ピンク頭、もといい相良楽太郎。
「…阿部コウキです」
「あれだろ?今日からの転校生。2年ってことは一つ下だなぁ〜」
金髪男子、たぶんわたしの名前知ってたな。
わざと言わせたのか。
「どーりで見ない顔なわけだ」
「ねぇ、サクラ、この子と何があったの!?」
「ちょっと女取っ払うのに手伝ってもらっただけだよ」
サクラと呼ばれるこの金髪男子。
「あの次の日からラクに探させてたけど、まさかこんなところで会うなんて思わなかったよ、コウキちゃん」
「……えぇ、そうですね」
ラクとは楽太郎の事だろう。
彼の表情を見れば、大変だったよとホッとした表情であったから。