「えっと、君を呼び出したのは本当の他でもない理由があるんだけど、謝らなきゃいけない本人が来てないんだけど…」

「…………」

「とりあえず、相良 楽太郎です…」

「……はぁ」



なぜか勝手に自己紹介を始めてた。



「こっちが安積 太郎で、この子が戸田 十和で…」

「勝手にあたしの名前、名乗んないでよ」

「アズ〜」

「俺もトダトワに賛同」

「ごめんって…」


アズミだからアズと呼ばれる安積太郎と、本名そのままにトダトワ言われる戸田十和。


あからさまになんか歓迎されてすらいませんが。
いや、そもそも何を歓迎するのか。



「で、この子誰」


トダトワが鋭い目を向けてくるが、どうすればいいのか。



「サクが探してた子だよ〜」



サク。

そういやクラスの男子の誰かが、サクラさんと呼んでいた。



その名前は、つい最近聞いた名前。