「誰かサクラさんに連絡!」
「まじかよ!!」
「俺ら大手柄だろっ!!」
ガタガタと椅子を鳴らし立ち上がる男子達。
慌ただしい男子とは逆に、女子の視線は殺気まがいな視線に変わる。
「ーーお前、ちょっとこい!」
騒いでいた男子の一人に腕を引かれ、廊下へ引っ張られる。
「え、まじでアイツなの」
「全然可愛くないじゃん」
「かなり地味じゃない?」
女子の嫌味な声も聞こえるが、一体何事だ。
「ちょっ、離して!」
腕を引っ張る男子はおろか、ついてくる男子達もわたしの言葉を聞く気にはないらしい。
ーー舐めんな、ガキども。
足に力を入れ、引っ張る男を蹴り倒そうと踏み込みをしたちょうどその時。
「…っ、危なっ…!?」
急に止まって、蹴りは不発に終わる。