いかにも遊んでます感ある女と、わたしの腕を掴む金髪男子。
「悪いって、こいつと約束してたの忘れてたんだよ」
そう言って金髪男子はわたしを真っ直ぐ立たせると、肩に手を回してくる。
な、何こいつ…。
「誰よ、その子」
「俺の彼女」
「はぁ?」
はぁ!?
女は声を、わたしは不快な目を男に向けた。
「そういうわけだから、じゃあ!」
「ちょっと、サクラ!!」
サクラと呼ばれるこの金髪男子はあろうかとか、わたしの腕を引いて早歩きでその場を逃げていく。
「わたしあんたの彼女じゃないんだけど!」
「わかってるから、すこし黙ってて」
「いやいや!」
一連の騒動を見てたらしい周りからは“修羅場”や“喧嘩”と言われてる声が聞こえる。
ふざけるなよ!