息継ぎの間も勿体無いくらいに、朔羅とキスをする。
朔羅もいつもみたいに手を出してくる事はなく、本当にキスだけしてた。
「ーーごめんね」
事が落ち着くと、だんだん頭も冴えてきた。
キスもだけど、朔羅の上に乗るなんで、今までだったら絶対できない。
恥ずかしすぎる。
「コウキちゃんに何があったか聞かないけど、あんまり泣かないでね。俺、女の子に泣かれるの好きじゃない」
「嘘だ…。絶対沢山の女の子泣かせてきたくせに…」
「それとこれとは別」
朔羅といると気を使わずにいられるから、安心感が強い。
銀や母さん、セーヤとは違う。
離れたくないなぁ。
なんて。
そんな事思っちゃいけないのに。
わたしはいずれ、この街を去るのに。