朔羅の姿を見るなり、なぜか涙が止まらなくなる。


「朔羅ぁ…」

「なんで泣くんだよ、意味わかんね」

「ううっ…」

「とりあえず家に入れて」


なんで朔羅がここにいるのか聞きたいけれど、今はそれどころではない。

玄関のオートロックを解除し、フラフラの足でエレベーターに乗る。

朔羅はわたしが倒れないように体を支えてくれる。



「俺もだけどコウキちゃんも殺風景な部屋に住んでるんだな」


家の中へ入るなり、周りを見渡す朔羅。
まだこっちへ帰ってきたばかりだから荷物なんてバッグに入れたまま。


ソファーに座り、わたしが泣き止むまで背中をさすってくれる朔羅。

こんな優しい朔羅は初めてだ。



「眩しい…」


里の太陽の光と朔羅の金髪が混ざり合って、かなり眩しい。