「2歳しか違わないのに、ガキ呼ばわりは気にくわないっすけど!」
とりあえず、セーヤにアッパーをくらわせておいた。
床で悶えるセーヤを尻目に、まとめた荷物を端っこにおいて、必要最小限だけ入ってるバッグを持つ。
「もう行くんすか?」
「新幹線の時間だからな」
「昨日の今日で、早いっすよ…」
「早いのはお前の父親だろ。用意周到過ぎな」
「親父にキツく言っとくっす」
「程々にな」
わたしもセーヤも、親に刃向かうことできないと分かっている。
自分が生まれながらにして授かった境遇は、誰にも変えられないんだから。
わたしは生まれた時から、全て赤羽のために人生を捧げることが決まっている。
そう、全ては赤羽のために。