なんで?と聞かれたから、なんとなく気になってとしか答えられない。
そもそも恋愛の話をしてるって言う自覚がない。
「それよりあんたはどうなのよ、サクラと」
「え?」
「好きとかないの?」
「ん…わかんない」
恋愛なんてしたことない。
好きと言う感情がどんなものかもわからない。
そもそも銀の言う“情”ってなんなんだろう。
「ま、なんか進展あったら報告よろしく〜」
そう言ってトダトワとは別れた。
なんかこの街に来てから、わたしの分からないことが多すぎる。
男社会で生きてきたから、なのだろうか。
「うーん」
母さんにもう少し相談してくればよかったかな。
他の人に聞くと、何故だか恥ずかしいし。