銀はきっとわかっていたんだと思う。
これは最終警告。
「ミツはよう仕事もやってくれる。やけどお前は自分の心を隠し続けるのは、もう無理なんや。仕事はできても、情には弱い。ミツ、お前は昔から弱いんや」
「そんな事ないもん…」
「あるわ。現に今がそうやねんから」
「…………」
「今までは九州には妹尾も、こっちには俺も母さんもセーヤもいるけど、あっちはお前一人やからな」
「…………」
「肝に命じとけ。これは兄ではない、若頭命令や。いいな」
「はい…」
そんなにわたしは情に弱いのだろうか。
東へ戻る日。
その日も見送りはセーヤだった。
「俺、光希さんのためなら、すぐ東にでも行きますからっ!」
「はいはい」
「光希さんっ!」
「その時は連絡するからね」
「はいっ…」