あまりの朔羅と宝さんの不仲。
そして最近、二人の反応が露骨に怪しくなっている。
こっちへ戻ってきてる間は調べられないけれど、もし何かあるなら攻め時でもあるのかもしれない。
「お前の主観は聞いてないが、心に留めておく」
組長はそう言って部屋を出て行く。
宮前もそれについて行くので、わたしも自分の部屋に戻ろう。
「あ、光希嬢。希子さん、心配してはるで」
「あっ!」
そういや、東へ行くことをちゃんと伝えずに行ったんだった。
部屋を飛び出し、小走りで廊下を駆け抜ける。
わたしの離れよりも奥、そこが目的地。
「あ、光希ちゃん」
縁側に座り、淡い着物姿で、とても物静かな女性。
わたしを見るなり笑顔になる。
「おかえり」
「ただいま、ーー母さん」