「ーーー以上です」
赤羽本邸で組長、わたし、宮前と3人。
東の街で知り得た情報を伝える。
組長はそれをただ聞いてるだけ、宮前はわたしの話には食いついてきた。
「まさか本城の家まで行くとは、思わんかったわ」
「はい。ただ中を探ることはできませんでした」
「さすがに怪しまれるちゅうねん。仕方あるまい」
「はい」
さすがにそれはわたしも思う。
「真ん中については?」
「組の息子二人からは何も。ただ、少し気になることが」
「気になること?」
「ーー跡目争いに、何か起きてるのかもしれません」
「ほう」
ずっと口を閉じていた組長が反応する。
宮前も、驚いているみたいだ。
「本城の若頭ってゆうたら、優秀やともっぱらの噂やぞ」
「はい。これは主観的な意見なのでもしかすると、と捉えて頂けたらと思います」
「跡目争いか…」