「光希さーーーんっ!!」
新大阪駅で改札を抜けると、ひときわ大きい声でわたしの本当の名を呼ぶ男。
「大声でわたしの名前を呼ぶんじゃない」
「バレへんように変装してきたんすよ!?」
「それでもだ」
セーヤには何時に帰ると伝えていたので迎えにきてくれてたみたい、しかもセーヤも変装していた。
こっちではわたし以上に若い奴には有名だからな。
「なんか光希さん、雰囲気変わってません?」
「そう?」
「明るく?女性らしくなられて…」
「元々女だっつーの」
ほんの数ヶ月離れているうちに、セーヤのやつ失礼なことを言うようになったな。
「組に戻りますか?」
「ああ、そうしてくれ」
まずは組長に、現状の報告だ。