「聞いてないっすよ!!」



次の日、マンションに戻り荷造りをしていたら、またうるさい奴がやってきた。



「セーヤ、なんでここを知ってるのよ」

「親父から聞いたけど!光希さん東行くって!ほんまですか!?」

「だから荷造りしてるじゃない。で、わたしの質問には?」

「チームの情報のやつに調べてもらいま…ぐぇ」



とりあえずセーヤに蹴りを入れる。


こいつ、宮前星矢(せいや)は組の宮前の実の息子だが、こいつの場合がわたしに付きまとうのは、組の人間だからとか、そういうことではない。



「光希さん、髪の毛染めたんっすね」

「ああ…流石に毎日ウィッグやヘアスプレーだと面倒だからね」


東に行くにあたって髪の毛を黒に染めた。


「俺好きだったんすけどね、光希さんの濃紅の髪」