「さすが裕也さん!」

「お嬢さん達、ちゃんと撮ってくれた?」

裕也は小バカにしたような言い方で二人に話しかけた。

すると紗耶は少しムッっした顔をして

「なんであんな危ない走りをするの!赤い車の人、事故起こしてかわいそうじゃない!」

紗耶は裕也に気持ちとは裏腹に怒ってみせた。

裕也は、おー怖い怖いとおどけて、又バトルを繰り返しにいく。

深夜3時頃迄に裕也は10数台のバイクや車を、やっつけた。
最後の1台のフェラーリを相手にしている時に、白バイがサイレンを鳴らして裕也にせまってくる。フェラーリは高速を降り、逃げてしまった。

白バイは裕也一人をターゲットにしたようだ。

白バイとのバトルが続くが、白バイは裕也に追い付けない。

必死の形相の白バイ隊員が、裕也に追い付こうかという時、裕也のバイクに接触した。

紗耶達の待機している車の側を白バイが吹っ飛んで行く。

巻き込まれた裕也も転倒し、血だらけになっていた。

紗耶は慌てて車を降り、裕也に駆け寄るとパトカーがサイレンを鳴らして迫ってくる。

「伸二! 逃げろ!」

裕也が伸二に向かってそう言うと、伸二と綾美は慌てて走りだす。

裕也は紗耶の手を引っ張った。

「後ろに乗れ!逃げるぞ」

紗耶はバイクの後ろにのり、裕也にしがみついた。

裕也は5分後にはパトカーを振り切り、首都高高架下に避難した。

「バカー!」

紗耶は裕也にしがみつき、裕也を何回も何回も叩いた!