「今は午後3時!あと5時間だわ」

紗菜は校門の前で、紗耶が出て来るのを待っている。

紗耶と綾美が二人で話しながら校門から出て来た。

「お母さん、話があるの」

「紗菜さん、どうしたの?」

「今日私と一緒にCREAMSODAに行って、お願い!」

「え?お母さんて、どう言う事?」

綾美は不思議そうに、二人に聞いた。

話を聞いた綾美はこの頃からタイムスリップに興味を持っていたらしく
、疑う事もせずに紗菜に協力する事を誓う。

6時頃には原宿に着いていた。

紗菜と紗耶はタイムスリップした場所へ行く、綾美はCREAMSODAにいき、裕也を呼びに行った。


「紗耶さん、いやお母さん私を抱きしめて!
もう会えなくなる。」


紗耶は紗菜の手を握り、やさしく紗菜を抱きしめた。


「私が裕也さんと結婚しなければ、紗菜ちゃんが生まれないなんて。
私どうしたらいいのかしら?」

「お父さん、いや裕也さんは素敵な人よ!
ぶっきらぼうだけど、とても優しいの
今日のお昼一緒にいて、解ったわ。」

「紗菜・・・」


不思議な気持ちだったが、紗耶は紗菜を強く抱きしめ涙する。


綾美が裕也と伸二を連れて来た。


「紗菜ちゃん、話しは聞いたけど、
今の俺には何を言っていいのか解らない」

「いいの裕也さん! いやお父さんて呼ばせて。」


紗菜は裕也の手を引くと、紗耶の手と紗菜の手に重ね合わせる。


「もう一度言うわ?
お父さん、来年の日本GPのデグナーカーブに気をつけてね。
お母さん、ちゃんと病院に行ってね、激しい踊りは禁止よ!」


紗菜は、つかの間の親子の雰囲気を味わっていた。


そして綾美が時計を見て叫んだ!

「じ、時間がないわ、紗菜ちゃん」

「お母さんとお父さんに、これあげる」


財布の中から来年発行になる500円玉を渡した。


「じゃあ、行くわ!
お母さん・お父さん
絶対死なないでね。」


紗耶と裕也の手を離し、紗菜は念じた。


2002年の原宿 2002年の原宿 2002年の原宿


するとあの時と同じ鋭い閃光が
紗菜を包み込む。