紗菜の携帯電話が鳴り響く!

「えっ!なんで」

紗菜は恐る恐る携帯に出てみる。

《紗菜ちゃんかい?
よかった、無事なんだね!
伸二です。今何処にいるの?》

「し、伸二さん! 
信じてもらえるかどうか解らないけど、今1981年に来ているの!
裕也さんが目の前にいるわ!」

《やっぱりか!紗菜ちゃんの携帯にかけたら、液晶に1981年のあの時の原宿の映像が現れるんだ。もしやと思い!》


「ねえどうしたらいいの伸二さん!」

「綾美が詳しいから代わるよ!」

「紗菜ちゃん、よく聞いて、30時間以内に元の世界に帰らないと、もう戻れなくなるわ、
紗菜ちゃんが、その時代にいったのはいつ?」

「昨日のお昼過ぎだわ、たしか2時だった!」

「じゃあ昨日の夜8時迄に、タイムスリップした場所に戻って、念じるの!
2002年のその場所の事を強く。
約束よ!絶対帰ってきてね・・・ツーツーツー」


電話が繋がらなくなった。


綾美は2002年現在、タイムスリップやテレパシーなどの研究所で働いている。


裕也が不思議そうな顔をしている。

「何だそれ?トランシーバーか。」

「え・うん何でもないわ

紗菜は冷静に考えたあげく、今日の夜8時迄両親と友に過ごし、変えてはいけない未来を変えようと決意する。
もしかしたら、自分は生まれない未来かも知れないが、
お父さんとお母さんのために。


「裕也さん今日の夜は暇ですか?」

「7時頃だったらあいてるよ」

「じゃあ7時にCREAMSODAの前に来て!
約束だよ!」

紗菜は慌てて店を飛び出した。