裕也のバイクが紗菜をよけようと、転倒した。

「あなた、危ないわよ!」

紗耶は紗菜にそう告げたあと、バイクの青年の所に駆け寄った。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃないよ、いきなり飛び出して!」

「凄いケガ、この近くに叔母さんの病院があるの、行きましょう」

紗耶がそう言うが、男は紗菜を見ている。

「おまえ名前は?」

「赤木紗菜って言います。」

「どっかで会った?」

紗菜は心の中で「はじめましてお父さん」、そう思っていた。


裕也も紗菜に不思議な血の繋がりを感じたのかも知れない。

結局みんなで赤木病院に行く事にした。


紗菜は一緒に赤木病院へ行き、今後どうすべきかを考えていた。


「やはり、二人は出会ってしまった。
でも出会わなければ、私は生まれない。
この時代の叔母さんに相談しても、解ってもらえないだろうな」


「それより私は、今後どうすればいいの」


散々頭を悩ませたあげく、決断した。


「お母さんならきっと解ってくれる、話しをしてみよう!」


病院を出たあと、紗菜は紗耶に話しがあると、喫茶店へ誘う事にした。

喫茶店に着くと紗菜は話し始めた。


「紗耶さん、何も言わずに私の話を聞いてくれる?」


紗菜は紗耶にそう言うと


「何だか良く解らないけど、とにかく話をして」

「結論から言うわ!
紗耶さん、私はあなたの娘です。
私は2002年からこの1981年にタイムスリップしてきたの。
どうして、そうなったかは解らないけど。



タイムスリップする前に伸二から聞いた話を紗耶に全て聞かせた。

紗耶は紗菜の目が、嘘を言っているようには思えなかったが、余り信用もしていなかった、でも余りの一生懸命さに今日は自分の家に泊める事にした。


− 紗耶の自宅 −

親には勉強会という事にして、紗菜を泊めた。


紗菜は紗耶の両親を見て

あの人達が私のおじいさんとお婆さんなんだ。
そう思っていた。