「えっどういう事?
これって映画でよくあるタイムスリップ?
まさかね。」


紗菜は半信半疑でKioskに向かい新聞を買った。

新聞には石野真子、長渕剛との結婚を控え芸能界を引退!

7月29日 - イギリスでチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式!

寺尾聰オリコンベストテンに3曲ランクイン!

などの記事が載っている。

「なんか本当にジャンプしたみたいだわ。
どうしたらいいのかしら、落ち着いて落ち着くのよ!」

紗菜は1981年7月にジャンプしたらしい!

この紛れも無い事実に戸惑いながらも、冷静になるよう自分にいい聞かせている。

紗菜は神様は私に何をさせたいのかしら。
そんな事を考えていた。


「そうだ、CREAMSODAに行けば、お母さんに会えるかも知れない。」


紗菜はCREAMSODAに行き、店内で伸二をさがす事にした。


「どの人だろう?
20年以上も前の姿解るかしら」


紗菜は店内を見回した。


「あっ!きっとあの人だ!」

紗菜は伸二を見つけたが、何をどう話せばいいか声を掛けるのをためらっていた。

そこに綾美らしき女の子が入って来る。


「高橋伸二さんいますか!」

「おっ 綾美!」

「伸ちゃん、又従業員価格でお願い!」

「仕方ないな! 綾美の頼みだもんな。」


紗菜は、伸二の話しを思い出していた。

「たしかこの時に、外にお母さんがいるはずよね。」

紗菜はあわてて店の外へでると、紗耶がやっぱり野良猫と戯れている。


「あっ、お母さんだ! ポニーテールに赤いリボン、ペパーミントの水色のローラーファッションに赤いパンプス!間違いない」


紗菜は母 紗耶の姿を見て目が潤んできた。