紗菜は死んだ母親に逢いたい!
そう強く願っていた時
鋭い閃光が、紗菜の目に突き刺さった!
「何? 眩しいわ!」
紗菜は目がくらんで、一瞬視力を失ってしまった。
数秒後 閃光は消え紗菜の目も段々と視力を取り戻した。
「何だったのかしら?」
紗菜は辺りを見回す。
「さっきより、踊っている娘達が増えてるわ、辺りの景色もいつもとどこと無く違う気がするし。
まあ、いっか
珈琲でも飲んで帰ろうっと」
紗菜は近くのカフェで珈琲を頼み、又亡き両親の事を考えていた。
30分程過ぎ、会計をしようとレジへ向かった。
「380円になります」
店員の女性の声に紗菜は500円玉をレジに出した。
「お客様こちらではこのようなコインでのお支払いはできかねますが。」
「えっ? じゃあこれで!」
紗菜はどうして500円玉を使えないんだろうと思いつつも、100円玉で支払いを済ませた。
ふとレジ横の新聞立てに視線を向けると、古い日付の新聞が置いてある。
日付は1981年7月21日だ!
紗菜は疑問に思い、店員に聞いてみた。
「あのう、なんであんな昔の新聞置いているんですか?」
「えっ!あれは今日の新聞ですよ。」
「あの、つかぬ事をお聞きしますが、今は西暦何年ですか?」
店員はキョトンとした顔をしたが、愛想よく教えてくれた。
「1981年ですけど。」
「えっ・・あ・ありがとう」
◎五百円硬貨(ごひゃくえんこうか)は、日本政府発行の補助硬貨。1982年4月に五百円紙幣に代わりに登場した。2000年にデザインと材質が変更された。