「仕方ないですね……」

三日月が軽くため息を吐き、銀河の後を追っていった。

喧騒が止み、流星と天馬だけが残されると、フロア内は静まり返った。

「くそっ…いってぇな…」

流星がアルコールを口にして、しみたらしい切れた唇の端をぐいっとぬぐった。

「切れる程殴るとか…信じらんねぇ」

「……悪いのは、流星の方でしょ……」

思わず銀河の肩を持つと、

「ふぅ~ん?」

と、流星がわざとらしく語尾を上げた。

「……おまえって、やっぱあいつのことが好きなんだろ? そんな風に気にするなんてな…」

「そういうこと言ってるんじゃないし。だって、あなたが先にふっかけたんでしょ…」

こちらを流し見る流星の顔を見ないようにしながら答える。