殴り合う2人を、天馬が大声で止めようとする。

「いい加減にしなよ、2人ともっ!」

けれど殴り合いはおさまらず、驚きに身をすくめる私を天馬は傍らへ引き寄せると、

「ごめんね、理沙。今、三日月を呼んでくるから…ちょっと待っててね」

と、ソファーを立っていった。

カウンターの奥に引っ込んでいた三日月をつれて、天馬が戻ってくる。

今にも殴りかかろうとしている銀河と流星との間に、三日月が割って入った。

「何をしてるんですか!」

2人の体を引き離し、三日月が一喝する。

「お客さまのいらっしゃるところで、喧嘩をするなどっ!」

怒りを露にする三日月に、

「…銀河の奴が、先に殴ってきたんだよ」

と、流星が言い訳をする。