「あの…さ、私もしかして、聞いたらいけないようなこと聞いてる?」

彼をもっとよく知りたいと思って、踏み込んで聞いてみた話だったけれど、やっぱりあまり聞くべきではなかったようにも思えてきていた。

「いや、いいって。ここまで聞いたんだから、全部聞いとけや」

ハンドルを握り、前を見つめたままで銀河が言う。

「うん…」

「……いつも『紫の目が神秘的』だとか言われて、勝手に王子様扱いをされて、その王子様キャラと少しでも違うことをすると、『イメージと違う』とか、たたかれて。

だいたい、そんなイメージなんて俺が作ったもんでもないし、そっちが勝手に作ったんだろ…って思ってな。

そんな風に、イメージとか押し付けられるのが嫌で、周りとの関わりを極力避けてたんだよ…」

銀河の話に、知らず知らず泣いている自分がいた。

「……って、おまえ、何泣いてんだよ?!」

銀河が気づいて、びっくりしたように私の顔を見た。