「じゃあ、クルマん中で話してやるよ。今日は、俺のクルマで来たから」

銀河がそう言って、大学から少し離れた場所に止めてあるクルマに案内した。

黒いスポーツカータイプのそれは、流線型の車体に艶やかなカラーが映えて、銀河の雰囲気によく似合っていた。

キーを挿し込むと、スポーツカーらしい大きな音をたててエンジンがかかった。

下から突き上げるような轟音が助手席にまで伝わってくる。

「…店には、まだ時間があるし。ちょっとドライブしようぜ」

と、銀河がハンドルをつかんだ。

クルマが走り出してしばらくは、車内には低いエンジン音ばかりが響いていた。

赤信号でクルマがブレーキをかけて止まったのを見計らって、

「ねぇ…?」

と、銀河に声をかけた。

「ああ…さっきの話だろ? まぁ、理沙が俺に興味持ってくれたことだし……」

もったいぶったようにそう言って、銀河が話し出した。