「ちょっと、見ないでって言ったのに、何してるのよ……!」

振り向いた私の頭をぐっと腕で抱き寄せて、

「髪、綺麗だよな……」

と、囁いて、

不意のことに固まる私に、そのままキスをしてきた。

「んっ…! 何するのよ…!」

銀河の体を突き飛ばし、唇を拳でぬぐった。

「昨日のお礼ってことで。キスぐらい、もらったっていいだろ?」

銀河がにやりと口の端で笑った。

「何がお礼よっ! 最低っ!」

頭に血が上った私は、そう吐き捨てて、バスルームへ駆け込んだ。