あきらめ顔の係の人と、間に合ったとホッとしている私。

ホントに不思議なんだけど、願書提出に必要な印鑑や写真は何かあったらいけないと出かける前に慌てて鞄に入れていた。



志望動機も曖昧にしか書けない状態だったが、何かにとりつかれたように急いで書き上げて提出した。

時間は5分ほどオーバーしたが、係の人が受け取ってくれてなんとか締め切りに間に合った。



面接当日…


「あれ?今回は定員割れしてるんですか?」

「かわいそうに前回の募集した生徒さんは倍率が3倍だったのにねぇ~。今回の生徒さんはラッキーだよ。」

警備員さんがそう話していた。


10日後、家に無事に『合格通知書』が届いた。


今から思えば、彼に出会うために全ての事が完璧に仕組まれていたみたいだ…

捻挫したタイミング、その学科を選んだ事、願書締め切りに間に合った事、定員割れしていた事…



…その時の私には見えてはいなかったけど、私の目の前にはキラキラと輝いた大きな道が拓けていたんだ…