「もしかして、それがわかったら、今のこの状態から抜け出せるのか」


 思わず身を乗り出しかけたリッキーを押し戻しルイはいう。


「とんでもないよ。最後の花乙女は王に献上される。おまえはそれでいいのか?」


「いいわけないだろうが。ボクはこの国の王様は敬愛しているし尊いと思う。それは当然のことだ。で、花乙女とはなんの関係が?」


「下劣な事は言いたくないが、王の仮の妻になると言うことだ……もうおまえが産まれた頃にはみんなそうしていたんだ。理屈抜きに」


 憤然として睨むリッキーに、ルイは一番効果的な台詞を口にした。


「まあ、王様は神であり、父であるから、全ての特権は彼にあるよな」
 リッキーはうなだれて大岩から降りようとした。