「それがどうした」


「見知らぬ者からさんざんっぱらに届くのだ。しかも……一緒に花や香水、洋服に靴などと喰えもしないものまで。それがずっとな」


 言ってしまってから、彼女は胸の息を全部吐き出した。


「宛名はボクなんだ。アレキサンドラとある。決して友人以上の者共ではない。友人なら、直接渡してくれれば礼をするし、言えるのに」


 このときまだ、彼女はそれらの高級品の真の値を知らなかったのだ。


「お、おう……気にすんなよ。今後関わり合いたくないなら、ようはよ、ことわっちまえばいいんだ」


「断る? 何をだ」
「花なんざ送ってくることをさ」