今後、リッキーの勧めるハーヴは多く売れ、とりあえず母には貸しができたが、母は「当然」といった態度で、これは明らかに見越しての事だったもよう。
リッキーは十二になった頃から冒険の傍ら、母親のマナーレッスンという名のしごきで磨きをかけられていたのだ。
が、後にどんなことになるかはつゆ知らず、そのとき確かにリッキーは華となって、円舞を王とその縁者の前に披露し、天の神に奉じていた。
くるり、くるり、ふわり、ふわり
くるり、ふわり ふわり ふわり
花冠を頭上にいただいたアドラシオー国の乙女らは、この日の為に入念に整備された美しい広場で踊る。隣国の大司教も顔を出してる。