「恐ろしくはないのか」


「王子と一緒なのでしょう? ボクのパワーは百人力です」


「そのときはリリアに頼んで封印を解いてもらわねばなるまいな……仕官か」


 できるかな? 果たして騎士位も持たない者にそれは、よほどの戦果を挙げねばなるまい。


 本当は地獄なんて嫌だけれど。

 恐ろしいところだけれど。

 リッキーは王子と一緒なら、とけなげに考えた。


「どう、思われますか? 争いは魔物と同じだと思われませんか」


「同じだな。宮中でさえ、女の口げんかはよそでやれ、と思ったことがある」


「そうですか。ボ、わたくしは不肖ながら、心が壊れるかと思うほどすさみましたよ」
「意外とかわいいところもあるな」